新人病院薬剤師のつらつら

病院薬剤師の新人が日々のニュースで気になることを書いていきます。

なにこれ処方

とある日の夜勤中に出た下記の処方、

その目的は一体なんでしょうか。

 

RP1   アモキシシリン錠250㎎        16T  2×

     ベネシッド錠250㎎(プロベネシド)   4T  2×

      朝夕食後

RP1   エリスロマイシン錠200㎎     3T 3× 

      毎食前

RP1   ロラゼパム錠0.5㎎ 4T 1× 10/1~10/2

RP2   ロラゼパム錠0.5㎎ 3T 1× 10/3~10/4

RP3   ロラゼパム錠0.5㎎ 2T 1× 10/5~10/6

RP4   ロラゼパム錠0.5㎎ 1T 1× 10/7~10/8

 

 

①かなり量の多い処方ですが、梅毒患者さん(第1期)の処方だそうです。

梅毒というと、一昔前の病気のようなイメージでしたが、実際にり患してしまうと、

こんな治療になるようです。

ちなみに、海外では、ペニシリンGの筋注が推奨されていますが、国内ではできないため、錠剤であるアモキシシリン錠を使用しています。

また、プロベネシドは、尿酸排泄促進薬ですが、アモキシシリンの腎排泄量を減少させることで血中濃度を維持する作用があるとのことです。

参照:http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/465-syphilis-info.html

 

②これはエリスロマイシンによる食欲増進作用を期待しているのだそう。

食前の長期投与の場合、これにあたることが多く、呼吸器外科ではよく出ています。

また、逆を言えば、食事の影響があるということで、エリスロマイシンの血中濃度(Cmax,AUC)が,食直前・食前投与>空腹(一夜絶食)時投与>食後・食直後投与の傾向にあるという報告もあるようなので、抗菌目的で使うときは注意が必要ですね。

参照:医薬ジャーナル 2011年6月号(Vol.47 No.6)III.薬と食事の相性 73.エリスロマイシンと食事

 

③こちらはアルコール離脱症状の治療だそうです。

なんとも特徴のある処方です。

参照:http://hospi.sakura.ne.jp/wp/wp-content/themes/generalist/img/medical/jhn-cq-tsukuba-150702.pdf